心筋梗塞

ワクチンについて

先日、親戚の叔母さんが心筋梗塞で亡くなりました。突然の知らせに母も大変驚いておりました。

心筋梗塞は、働き盛りの元気な人でも急に発症して、あっという間に亡くなってしまうこともあるという、医療側からみても非常に緊張感のある疾患です。
しかし、適切な診断、治療を迅速に行えば、後遺症なく元気に社会復帰できるという二面性も持っています。

そんな恐ろしい病気である心筋梗塞ですが、意外と見逃しやすいこともあるというケースを経験しましたので、ご紹介させて頂きます。

今回は70歳台の男性の方で、もともとビタミンEを健康のためにと通院で処方しておりました。既往歴も特にありません。外来受診時もいつも殆ど訴えの無い、血圧なども安定した状態でした。

その日も、定期の外来受診日に来られたのですが、開口一番「昨日の夜10時頃からお腹と背中が痛いんだよね。」と話されました。軽い痛みであり、昨日食べた中華丼があたったのかな、ともおっしゃっておりました。触診では腹部に圧痛等の所見無く、血圧、体温等のバイタルサインも問題ありませんでした。普通なら軽い胃炎かな?と思うところですが、何か違和感を感じ、心電図をチェックしました。

その時の心電図がこれです。

典型的な急性心筋梗塞の所見です。急遽患者さんに説明して、点滴ラインをとり、小張総合病院循環器内科に連絡して、救急車を手配しました。軽い胃炎位に思っていたご本人は、急な展開にびっくりされております。

後日、病院よりお返事があり、緊急心カテーテルの結果、心臓を栄養する冠動脈という血管の中の、左前下行枝という血管の完全閉塞だったことが分かりました。ステントという閉塞を解除するデバイスを用いて血管は完全に開通されました。本当に良かったと思いました。

今回は患者さんを診察していて何が違和感を感じさせたかというと、

一つには胃の痛みで、『 午後10時から 』とか、きっかり何時から痛むと言うことは余り無いこと、もう一つは、普段外来受診時に、殆ど何も訴えない方がその日は開口一番にお話されたことです。

でも、これは後付けで分析すればそうだったなと思う程度で、実際その時は何か違和感があるな程度でした。
勿論日常診療をしていて、腹痛の人全員に心電図をしている訳ではありませんが、何か違和感を感じた時は、なるべくその直感も信じて行動するようにしております。(当然何でもないこともありますが...)

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