毎年冬期を中心にRSウイルス感染症が流行しますが、今頃の時期になりますと、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)が流行ります。症状はRSウイルスと似ていて、咳、発熱、鼻汁等が5~7日続きます。春先にかかる咳のひどい風邪はヒトメタニューモウイルスの可能性があります。
野田でも3月下旬頃に、近くの保育園で集団発生して、当院でもそちらから受診された方の5名中4名がヒトメタニューモウイルス迅速試験で陽性反応が出て確定しました。又、最近も近くの別の幼稚園で咳のひどい子が続いたため検査したところ、やはりヒトメタニューモウイルス陽性でした。このように、集団感染すると思われますので、ひとたび園で発生が確認されましたら、厳重な手洗い、うがいなどの感染予防対策が必要と思われます。
但し検査に関しましては、肺炎を疑うほどの症状の激しい場合に限り保険が適応されますので、気軽にできる検査ではありません。又、診断しても治療は対症療法になりますので、インフルエンザを診断する時ほどのメリットはないかもしれません。
考え方としては、集団発生が疑われるときに、特に症状のひどい方に検査をして、全体像を把握するというのが良いかもしれません。
比較的最近発見されたウイルスであるので、一般の方にはあまり周知されてないと思いますが、ひどい咳が続いて、ほかの疾患が否定的な時は一度はこのウイルスを疑うべきかと思います。