潜血尿について

今日は、尿検査の結果で時々認める潜血尿について書きます。

潜血尿とは、肉眼で見ても尿は赤く無いのに、検査すると血液の反応が出る尿のことをいいます。正常所見は陰性ですが、膀胱炎、腎炎、膀胱腫瘍等で陽性になります。
通常男性で潜血尿を認めることは余りありませんので、認めた場合、特に高齢の方の場合、エコー検査をして、前立腺がん等の有無を確認します。
女性の場合、閉経前は生理の影響で潜血尿を認めることはしばしばありますが、実は閉経後の女性も潜血尿を認めることが多々あります。大抵は閉経による性ホルモンの低下が原因で、萎縮性膣炎を生じる事などにより出血しやすくなって認めます。しかし、時々その中に深刻な病気が隠れていることもあります。

今回は、尿潜血が弱陽性で超音波検査を施行した方についてです。

60歳代 女性の方で、当院では主に高血圧で通院されておりました。定期的に血液、尿検査は行って異常を認めておりませんでしたが、その時は2回連続で尿潜血弱陽性でした。
しかし、前述の通りこの年代の女性は尿潜血弱陽性は珍しいことではありません。この方もそれかなとは思いましたが、今まで尿検査正常であったのに、その時初めて尿所見を認めたことと、超音波検査をされたことが無いとのことでしたので、念のため検査を行いました。

図1が、その結果ですが、左の腎臓の皮質という場所に径30mm程の腫瘤を認めます。所見から、腎臓がんを疑い病院に紹介、やはり腎細胞がんで左腎摘出オペを施行されました。


図1

腎細胞がんは、50~60歳台に多く、男女比は概ね3対1で、男性に多いです。肉眼的血尿、腰背部痛等で発症することが多いですが、最近は無症状で今回の様に検診で見つかるケースも増えてきております。

今回の方は、オペ後8年程経過されておりますが、再発、転移も無く、元気に過ごされております。
しかし、いつもの潜血尿だとたかをくくって経過を見ていたらと思うと、非常に考えさせられる経験でした。

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